俺様御曹司は逃がさない

「これが噂のサーバントか」

「所詮は女だろ」


2対1か……ま、さっきの動きから察するにこの2人は特段強そうではない。


「君達は何をしているのかな?」


そこへ現れたのは……ただならぬプレッシャーを放ちながら笑みを浮かべて、こちらへ歩いて来ている蓮様だった。


「チッ!!ずらかるぞ!!」

「クソがっ!!」


あたしは逃げようとする男の腕を咄嗟に掴み、そのまま胸ぐらを掴んで、もう1人の男目掛けて思いっきり背負い投げをした。

見事に倒れ込む男2人。


「やるね、舞ちゃん」

「体術強化訓練やっといて良かったです」

「そうだね」


ニコニコしながら男達に近付き、トドメを刺した蓮様。

完全に伸びきって、意識が飛んでいる模様。


「お怪我は無いですか?凛様」

「え、ええ……問題ないわ」

「そうですか。なら良かったです」

「凛!!待っててくれと言っただろ!!」

「だってっ……」

「だってじゃない!!」


きっと蓮様は凛様を心配して怒っているんだと思う。大切な兄妹……妹だからね。


「今回はあたしで何とか対処できましたし、凛様も何かしらあっての行動だと思うので、まずは話を聞いてからでもいいんじゃないですか?」