俺様御曹司は逃がさない



「宗次郎君」

「居たの?盗み聞きとか趣味悪いね」

「何をするつもり?」

「別に怪我させたりとか危険な目に遭わせるつもりはないよ。俺もそこまで非道じゃないんで」  

「その辺は信用してる。でも、あの2人の関係を引き裂くのは無理なんじゃないかな?分かってるんじゃない?柊弥が想像以上に舞ちゃんに執着しているってこと」


それがそもそもの誤算だから、言われなくても分かってるつーの。


「ま、引っ掻き回してあいつの顔にちった~泥塗れれば結果オーライってことで」

「ごめんだけど、私はもう協力することはできない」

「別にいいよー。あん時ゲロらなかっただけ感謝してる」

「……宗次郎君が諦めたら私はあっちに戻るから」

「悪いね。彼氏とラブラブしたいだろうに」

「舞ちゃんを傷つけたりしたら許さないから」


そう言い捨てて去っていく叶さん。

傷つけたらって……よく言うよ。

・・・・さて、今日は何かとタイミングがいい。

決行するなら確実に今日だ。

あの人も馬鹿だねえ……無駄なプライドが邪魔して、舞に黙ってコソコソしてるから足元掬われんだよ。

ま、ぶっちゃけ舞とあの人の関係だの何だのは、マジでどうでもいい。