俺様御曹司は逃がさない

「お前は圧倒的にパワーが足りん。取っ捕まえられた時、逃げられません……じゃあ話にならん。それ以外はまぁ、悪くはないな」


いや、あんた達(小島さん・九条・蓮様)みたいな馬鹿力ゴリラみたいな人達に、パワーで勝てるわけないでしょ?だいたい、サーバントとして教育を受けてきたわけではないあたしが。


「なんで貴女のような人が、あの九条様から寵愛を受けているのか……理解に苦しみますね」

「は、はあ……そんなこと言われましてもぉ……」

「すみません。七瀬さんに用があるのでもういいですか?」

「…………勝手にしろ」


上杉先輩の説教からあたしを救ってくれたのは……。


「ありがとう。宗次郎」

「別に?貧乏人な上に毎日あんな説教食らって、あまりにも不憫だなって思っただけ」

「ま、一言余計だけど感謝するわ。持つべきものは同期だね~」

「……感謝される筋合いはない」


なんか意味深な言い方をする宗次郎に、ちょっと違和感を感じつつも、気にしないことにした。


「で?用ってなに?」

「俺、一般じゃん?」

「ああ、文化祭参加するんでしょ?いいね~、青春っぽくて~」

「面倒なだけだろ。つーことで、買い出し付き合って」

「ま、まぁ……別にいいけど」