俺様御曹司は逃がさない

「へぇ~!七瀬ちゃん知り合いなの?」

「あーーまぁ、はい」

「ならあの子達の接客任せちゃっていい~?」

「優希さん。それだけは勘弁してください」


チラッと九条達の方を見ると、“こっちへ来い”と無言で訴えてくる変態悪魔こと九条 柊弥。

あたしは見て見ぬふりをした。

公の場でいつもみたくあたしに絡んでくることはまず無い。


「君、ちょっといいかな?」


あたしを見て、ニコッと微笑みながら手招きしてくる九条にぞぞけがした。


「舞ちゃんご指名じゃ~ん。やっぱいつ見ても九条君かっこいいね~」

「それ、浅倉君の前で言っちゃダメだよ?」

「僕が何か?」

「「ヒィッ!?」」


ヌルッと現れた浅倉君に小さな悲鳴を上げる美玖とあたし。

あのたどたどしい浅倉君はどこへやら。美玖に近付く野郎は抹消するマンに変貌を遂げていた。

“ブラック浅倉”と命名しよう。


「で、七瀬さん」

「はっ、はい」

「あの人達は?知り合いなの?」

「ま、まぁ……」

「そうですか。なら僕が接客するね」


待って待って!!ブラック浅倉のまま行かないでーー!!

あたしはブラック浅倉を引き止めて、コソコソッと耳打ちした。