俺様御曹司は逃がさない

「お願いします」


そう言いながら車内に乗り込むと……。


「あっ、あのっ!!は、初めまして。あ、浅倉 真広(あさくら まひろ)です」


この人が美玖の陰キャ彼氏か……確かにパッと見は陰キャっぽい。


「初めまして。美玖がいつもお世話になってます。七瀬 舞です」

「いえっ、僕がお世話されてて!あの、よっ、よろしくお願いします!」

「ははっ。こちらこそよろしくお願いします」

「ちょっと真広く~ん。舞ちゃんが美少女だからって緊張してなぁい?いつも以上にたどたどしいけど~」

「いやっ、そんなことないよっ!!美玖ちゃんの大切なお友達だからっ、緊張しちゃってるだけ!」


・・・・いや、あたしの“美少女”説を全力で否定されたみたいになってない?若干傷つくのはなんでだろ~う。


「いやぁ~、小日向ちゃんと付き合ってから随分と変わったよ~?真広。筋トレなんかし始めちゃったりして~」

「ちょっ、姉さんっ!!」

「へぇ~。スゴいじゃん、浅倉君」

「もぉ、真広君かっこいい~」

「うわっ、みっ、美玖ちゃん!?」


浅倉君に抱きついて、けしからんオッパイをムニュムニュ押し付けている美玖。

あたしは美玖達の存在を瞬時に脳内から消し去り、イチャイチャしている後方を見ないことにした。