俺様御曹司は逃がさない

そんなこんなで家まで送ってもらった。


「ありがとうございました」

「いえ」


降りようとするあたしを腕を掴んで引き止めた九条。


「はぁぁ、もうなにっ……」

「金のこと。俺がお前の父親に話を持ちかけた。最後まで渋ってたのを俺がゴリ押した。だから、あの人が俺に対して適当こいたわけじゃねーよ。これに関してはあんま責めてやんな。俺が無理矢理そうさせたようなもんだから。金のことはお前が気にすることじゃねーし。俺の娯楽代と思えばっ……」

「ごめん、ありがとう。お金はあたしがちゃんと返済する。それを返済するまで、あたしは九条から離れるつもりないから。迷惑でないなら……だけど」

「……そうかよ」

「じゃ」

「ん」


車から降りて九条に背を向けた。

でも…………振り向くと、窓を開けてこっちを見ていた九条。


「九条」

「ん?」

「あの、助けてくれて本当にありがとう」


ホテル街でのこと……お父さんのこと……何だかんだ今まででも、助けられてばっかりだなって思う。

あたしはあなたを助けることができるのかな。助けられてばかりじゃいられないもんね。


すると、鼻で笑って優しく微笑む九条。


「だから言ったろ?黙って守られてろって」