俺様御曹司は逃がさない

「鬱陶しいわ!!」


結局我慢できず、九条の方を向いてしまった……。

ニヤッとして嬉しそうにしている九条見て、心底後悔したのは言うまでもないよね。


「短気は損気~。お前、煽られやすいから気を付けろよ~」

「あんたにだけよ!!こんな風になるのは!!」

「へぇ?俺が“トクベツ”って?」

「はあ?何をどう解釈すればそうなるわけ?」

「普通に解釈すればそうなんじゃん。馬鹿なの?お前。あ、馬鹿か。紛れもなく純度100%の馬鹿だな」

「バカバカ言う方が馬鹿だって知らないの?馬鹿」

「ププッ。んなこと言う奴初めて見たわ~。天然記念物~」


あたしは我慢の限界に達して、九条のご尊顔を鷲掴みした。


「ぐっちゃぐちゃにしてやる」

「ヤバいってお前。キャラ定まってなさすぎんだろ」

「もういいわ、どうでも」

「嫌だね~、これだから貧乏人短気は~」


ガシッと手首を掴まれて、鷲掴みしていた手を剥がされた。


「七瀬」


急に真剣な声であたしを呼んで、真顔であたしを見ている九条に、色んな意味でドキッと胸が弾む。


「な、なによ……」

「お前は俺の隣でギャーギャー言ってればそれでいい」

「……はい?」

「俺のモンで居りゃいいってこと」