俺様御曹司は逃がさない

あたしは迷うことなく九条の胸ぐらを掴んで、ガンガン振った。


「ふざけんなオイ」

「ちょいちょい不良少女的な感じになるの何なの~?そういうキャラでいく感じ~?」

「いかねーよ!!ていうか、返せ……あたしの夏休み返しやがれーー!!」

「ったく。まだあんだろ?」

「もう8月も半ばに差し掛かろうとしてんじゃん!!」

「十分でしょ~」


────── ああ、もう殴っていいかな?いい?手加減できる自信ないけどいいかな!?


「九条」

「んー?」

「歯ぁ食い縛んなさい。手加減はできない……というか、手加減する気が更々ない」

「はいはい、ドードー」

「もぉーー!!牛じゃないわーー!!」

「『モォーー!!』って言ってんじゃん。ウケる」

「チッ!!」

「おいおい。マスターに向かって舌打ちはないでしょ~。舌打ちした悪いお口はこれかなぁ?」

「なっ!?」


逃げなきゃ!!と本能で感じで、逃げようとしたんだけど、こいつがそれを許すはずもなく……。


「どぉこ行こうとしてんだよ」

「やめてっ、離して!!」

「無理」

「離せ!!クズ!!」

「お前、マジで生意気すぎて可愛くねー」

「可愛くなくて結構!!」