俺様御曹司は逃がさない



なんでこいつは次から次へと……マジでダルい。


「チッ。面倒事増やしやがって……めんっどくせぇ女だな。お前はよ」

「いったいなぁ……そんなこと言ったってしょうがないじゃん!!」

「で、あの金受け取ったわけ?」


あの金で俺のサーバント辞めろって言われたんだろ?お前はそれを受け取ったのか?

そりゃそうか……受け取るに決まってるわな。

金さえあれば俺のサーバントで在る必要もなければ、特段メリットもないだろ。

お前にとって俺との関係は……金で簡単に切れる関係だもんな。


「はあ!?受け取るわけがないでしょ!?」

「そうかよ…………って、は?」

「は?だから、受け取ってないっつーの!!」

「なんで?」

「いや、なんでって……。受け取る理由がないじゃん。馬鹿なの?」


ムスッとしながら立ち上がって、偉そうに腕を組んで俺を睨み付けてくる。


「理由なんていくらでもあんだろ。あいつに俺のサーバント辞めろって言われたんだろ?」 

「うん、言われた。こっぴどく」

「お前、辞めるって言わなかったわけ?」

「はあ?言うわけがないでしょ。口が裂けても言ってやんないわ」