俺様御曹司は逃がさない

「父親だろうが何だろうが関係ねえ。俺のモンにちょっかい出す奴は誰だろうと許さん」

「父親に向かって何だ、その態度は」

「あ?」

「ガキのくせして調子に乗るなよ、柊弥」

「クソ野郎が。誰のモンにっ……」

「柊弥!あなた!舞ちゃん前で何をしているの!?やめなさいっ!!」

「あ?黙ってろ」


九条がそう言うと一気にお父さんの雰囲気が変わった……というか、九条の胸ぐらを掴み返して今にもブン殴る勢いなんですけど!?


「オメェ、誰の女に口利いてんだ」

「あ?ならテメェは誰のモンに口利いてんだよ」


あーーもうっ!!!!


「「いい加減にしろや、馬鹿野郎共ーー!!」」


あたしと九条のお母さんが声を揃えてそう叫ぶと、スンッと大人しくなった隙に、あたし達は2人を引き離した。


「舞ちゃん!その子のこと頼むね!」

「了解!!」


何か文句を言いたげな九条を1発ブン殴って、引きずるように母屋から出た……瞬間、ベチンッと強烈なデコピンを食らって、悶えてるうちに逆に引きずれるあたし。

そして、離れに着いた途端、ポーーイッと玄関に捨てられた。