俺様御曹司は逃がさない

「だいたい、あなたと2人きりにした……なんてあの子に知られたら怒られるもの」

「あいつの意見はどうでもいい」

「そうやって言うからあの子が嫌がるのよ」

「あいつは所詮まだ子供……俺の言っていることが理解できていない。ただそれだけのことだ。俺が間違ったことを言っているか?」

「もっと言い方ってものがあるでしょ?って何回言えば分かるの?あなた」

「あっ、あのっ!!ろくに挨拶もせず敷地内に出入りしていましたし、あたしもお話というか、ちゃんとご挨拶したいですし。お話があるというのなら……2人きりでも構いません」

「舞ちゃんっ……」

「この子がこう言っているんだ。問題はないだろう」


こうしてあたしは九条のお父さんと2人きりで話をすることになった。


「七瀬 舞です。九条……柊弥様のサーバントをっ……」

「挨拶は必要ない。遠回しな言い方は苦手でね、単刀直入に言おう。今すぐ柊弥のサーバントを辞退してくれ。君みたいな子に九条を背負うことになる柊弥のサーバントはしないで欲しい。第一、勤まるはずがないだろ?君みたいな凡人以下の人間に。天馬に通って、痛いほど身に染みただろ?場違いだってことを。いや、ハッキリ言おう。分を弁えろ……と言えば分かるかな?汚点でしかないんだよ、君みたいな存在は。九条の名にキズをつけ、泥を塗りかねない。そんな害虫はすぐ排除すべきだろ?いや、寄生虫と言うべきか……。俺が言っていること、死ぬほど馬鹿じゃない限りは伝わっているとは思うけど、どうかな?」