俺様御曹司は逃がさない

「ごめんね?舞……。でも、お父さんも騙されちゃっただけなの。悪気があったわけじゃないから……」

「俺も何か力になれることがあれば、なんだって協力するんで言ってください。できる限りフォローしますんで」

「拓人……お前って奴は。さすが七瀬家の長男だな!!」


バンッ!!!!


気付いた時には机を叩いて立ち上がっていた。


「いい加減にしてよ……こんな話、普通拓人にする?九条に助けを求めるなんて……本当にあり得ない。こんな時までヘラヘラしないでよ……いい加減にして!!!!お母さんがどれだけ苦労してるか分かってるの!?あたし達がどれだけ罵られてきたか知ってる!?」


────── ダメ、これ以上はダメ……止まってよ、あたし。


「いい歳こいて叶いもしない夢を追いかけてさ、家族に迷惑かけて、何がしたいわけ!?もうそんな夢諦めて普通に働いてよ!!なんで、どうしてそんなチャランポランでいれるわけ!?おかしいんじゃない!?……こんな家に、お父さんの娘なんかに生まれて来なければ良かった!!もっとちゃんとしたっ……!?」


バシンッ!!という音と共に、頬に衝撃が走ってジンジン痛む。


「おいっ、百々子!!」

「百々子さんっ!!」

「舞。お父さんに謝りなさい」

「……なんで、あたしは間違ってない」

「いいから謝りなさい!!」

「もういい!!」