俺様御曹司は逃がさない

────── はは。1発殴ってやろうかな。


「九条様。そろそろ病院へっ……」

「七瀬、お前は留守番ね~」

「そうですか」

「んじゃ」

「いってらっしゃいませ」


九条は病院への同行を何故か拒否する。全くもって意味不明。あたしの代わりに、蓮様と前田先輩が付き添いをしている……これまた意味不明。

ま、別に付き添いしたいわけでもないし、勝手に行って来てくれって感じだけど。

少しでもあいつの居ない時間と空間がほしい……とか、本人には口が裂けても言えないけど。

・・・・ていうか、そろそろ抜糸できるんじゃないかな?

こんだけ至れり尽くせりな生活を送ってるんだから尚更ね。

朝から晩まで本っ当に苦労するわ。

九条は『行き来すんのめんどくねー?住み込みすれば~?』とか呑気に言うけどさ……。

貴様、なにを考えてんの?って話だよね。


何が嬉しくて、物理的に四六時中あんたと一緒居なきゃなんないの?って。

だいたい、年頃の男女が共に過ごすっておかしいでしょ。恋人でも無ければ、友達ですらないあたしが。その辺の境界線バグってるよね、あの人。

距離感バグってる人は漏れ無く境界線もバグってるわ。

・・・・とかとか、頭の中で文句を言いまくった。