舞ちゃんは私の手をそっと掬って、優しく包み込んでくれた。


──── 初めて会った時から分かっていた。


あの柊弥が選んだ子だもん。

普通の子じゃないことくらい分かってた。

舞ちゃんには敵わない。

きっと柊弥でさえ、舞ちゃんには敵わないかもしれない……とすら思う。


「ありがとう……舞ちゃん」


みんなが帰った後、宗次郎君に呼び出された。


「どうすんの」

「ごめん……今後、宗次郎君に協力したりはもうできない」

「ま、だろうね。叶さんは怪我とかしてない?」

「え?あ、うん。大丈夫」

「そっか。じゃ、お疲れ」

「あ、あのっ!!宗次郎君はどうするの?」

「次、タイミングみて仕掛けたやつが不発に終わったら、まあ~やめるわ。時間の労力の無駄でしかないし」

「そっか」


・・・・宗次郎君は一体、どんな罠を仕掛けるつもりなんだろう。

でも、宗次郎君のことだから、舞ちゃんを危険に晒したりはしないと思う。その辺は心配しなくていい。

ていうか、あの2人を関係を崩すのは……無理なんじゃないかな。

どんな罠を仕掛けたって、あの2人は乗り越えちゃうでしょ?きっと。