俺様御曹司は逃がさない

やっぱ“イケメンにろくな奴はいない”が立証されつつある。

ま、蓮様は優しいし、クズはクズでも満遍なく女の子を大切にするタイプだろう。


──── いや、それはそれで残酷すぎやしないか?


「お金持ちイケメンこわっ……」

「その辺、九条様の方が清々しいほどのクズっぷりで、蓮様より幾分マシなのでは?」

「前田先輩……それ、なんのフォローにもなってないです」

「あら、これは叱られてしまいますね」

前から思ってたけど、前田先輩って誰に対しても動じないんだよね。

怖いもの知らず……と言うわけでも無さそうだし。

感情が無い……いや、感情を捨てた説が濃厚。

ま、サーバントなんて感情を捨てないとやってらんない感は否めない。

きっと、あたしには向いていない……というか、九条のサーバントは向いてない……という表現の方が正しいかもしんない。

しばらく前田先輩と雑談をしていると、左手に包帯をグルグル巻き付けた九条が登場。

そして、担当医らしき人があたしに物凄い剣幕で迫ってくる。


「貴女が九条様のサーバントですか?」

「え、あ、はい」

「そうですか。くれぐれも……くれぐれも!!傷口が開くようなことはなきよう」