俺様御曹司は逃がさない

あんなの見せられて、何を信じろって言うの?ていうか、何であたしにわざわざそんなこと言ってくるの?

言い訳?いや、あたしに言い訳する意味も分かんないし、あたしもあたしで何をムキになっているのかが分かんない。


「あ、あんなの見ちゃったら……そんなの信じらんないでしょ。あんたとこうしていることが、咲良ちゃんを傷付けて、裏切る行為になっているのなら、あたしはっ……」

「だぁぁから、嵌められたんだよ」

「へ?……はめられた?」

「そう。咲良にな」


・・・・えーーっと、どういうこと?


「……ていうか、今はそんなことどうでもいい!!あんた手!!早く!!病院!!今すぐっ!!」

「あーーはいはい。分かった分かった~」


学園内にある病院へ九条を連れていく道中、前田先輩に遭遇して前田先輩もついて来てくれることになった。


「出血量が多いですね。ワレモノでも握ったのですか?」

「あーーうん」


『あーーうん』じゃないわぁぁ!!!!割れ物を握る馬鹿がどこに居んのよ!!普通は握らないのよ、握っちゃいけない物なのよ!!


「七瀬さん」


前田先輩がブレザーをそっと掛けてくれた。