俺様御曹司は逃がさない

「どう考えてもあたしの護りなんて、あんたには必要……」


チラッと九条を見てみると、一点をジーッと見つめている。ちなみにあたしのどこがをガン見している模様。


「な、なによ……」


あたしの問いに答えるよう様子もない。

・・・・これ、チャンスなのでは?

ガシッと九条の柔道着を掴んで背負い投げをする。

当然防がれると思ったのに、あたしに投げられてバタンッと床に転がる九条を見て、あたしを含むこの場に居た全員が唖然とした。


・・・・え?どういうこと?え……?

あたし……暗殺されるんじゃないかな。

九条の御曹司を背負い投げするサーバントなんて……殺されるに決まってる。


「あ、あの……九条様……?」


恐る恐る九条へ近付く。

すると、ムクッと起き上がり無言で去っていった。


────── 悲報、あたしは間違えなく暗殺されます。


「七瀬さん」

「はい」

「Tシャツは?」

「え?」

「Tシャツを着ていますか?」

「いや、着替える前にお茶溢しちゃって、そのまま着ちゃってます。あはは~」

「胸元」


前田先輩にそう言われて胸元を確認してみた。

ぐはぁっ!?

わ、笑えないくらい胸元がはだけている。