俺様御曹司は逃がさない

だからあたし……柔道と空手の経験者なんです。とは言え、ちょろっとかじった程度だけどね?


「一度だけ見かけたことがある。筋は悪くないと桂木さんは言ってたが……そう甘くはないぞ」


でしょうね……。

キッズの相手をしてたってだけだし、同年代にギリついていけるレベルかな?くらいだったしね。

でも、何て言うのかな……。

“桂木さんの所に居たのにそのレベルかよ”とか思われるのも癪に障る。

というか、あたしにとってこれはチャンスなの。

地獄の筆記試験を逃れるチャンスなの!!

チャンスは手にするものでしょ。絶対に逃してたまるかぁぁ!!


「ビシバシ鍛えてください。あたしはこれに懸けてるんです!!」

「破滅的な脳ミソだもんな。そりゃ懸けたくなるか」

「宗次郎は黙ってて」

「七瀬さん、宗次郎……君達は私語は慎め」

「そうやって偉そうにしてられんのも今のうちだぞ」

「何?」

「ま、まぁまぁ……上杉先輩も宗次郎も落ち着いてくださいよ」


いや、なんであたしがこの兄弟を宥めなきゃなんないのよ。

上杉先輩に物凄い勢いで睨み付けられるし。とばっちりもいいとこだわ。


「ここで特別ゲストを招こう」


いや、空気読んでくれる!?小島さん!!


「やぁ、どうも」

「暇潰しに来てやったぞ~」