俺様御曹司は逃がさない

「あいつと比べんのやめてくんね?胸糞悪ぃんだけど」

「違うって。お兄ちゃんと比べても君の方が圧倒的にルックス良いし、女の子の扱いめちゃくちゃ慣れてるでしょ?結構女関係で名を馳せてるみたいね、君。悪く言えばただの“女たらし”。でも、悪い噂は一切聞かなかったわ。女の子達から不満や愚痴も出てきてない。そんな君に落とせない女の子なんて居る?」


ま、居るわけがない。


「意外とヤバい性格してんね」

「もう形振り構ってらんないの」


──── よくある話だ。

叶家の経営が右肩下がりで、焦った母親の指示だとか何だとか?

はっ、くだらねえ。

でも、あいつを滅茶苦茶にするチャンスだと確信する。

そして、あいつが崇拝している九条 柊弥の弱み、大切なモノは……おそらく七瀬 舞だろう。

あいつの弟であるこの俺が、あの人のモノにちょっかいを出して、揺れ動く七瀬 舞を俺のモノにした……となれば、あいつの全ては確実に終わる。

チョロいだろうな。

・・・・当初はそう思っていた。

でも、七瀬 舞という女はどうも思い通りにいかない上に、油断するとこっちが掻き乱される。


────── “上杉家の恥さらし”