俺様御曹司は逃がさない

「俺レベルの富裕層が、お前みたいな異次元貧乏人の理解なんて普通だったらできるわけねえだろ!!だったらまず、お前の方が俺を理解する努力をしろっつってんだよ!!」

「はあぁん!?バッカじゃないの!?なに言ってんのよ!!支離滅裂男!!」

「支離滅裂なのはお前だろ!!つーか、“支離滅裂”の意味すら分かってねえだろ、こんのアホが!!」


息を切らして、不毛な言い合いをする俺達。

お互い冷静さを急に取り戻して、ただのガンの飛ばし合いに切り替わった。


「謝ったら許してやる」

「それはこっちのセリフよ」

「ほんっと生意気な女だな、お前」

「そのセリフ、そのままそっくりお返しするわ。ほんっと生意気な男ね、あんた」

「あ?」

「は?」


腕を組んで七瀬を見下ろす俺。

腕を組んで俺を睨み上げている七瀬。


うぜぇ、心底うぜぇ……そう思うのに、やっぱこいつしか俺の隣は歩けねえな……とか思ってる自分に腹立つわーー。


「さっさと謝れ。サーバントだろ、お前」

「あーーハイハイ。マスターの言うことは"絶対"ですもんねー。誠に申し訳ございませんでしたー」

「やり直し」

「誠に申し訳ございやせんでしたー」