俺様御曹司は逃がさない

「七瀬、ちょっと来い」

「……御意」

「咲良、宗次郎。凛と蓮が図書室に来いってよ」

「え?あ、うん。また後でね~」

「七瀬さん。券……今日中によろしく。では」


2人が出ていって、微妙な空気が流れる。というより、気まずくて九条の顔が見れないわ。


「“けん”って何だよ」


いや、なんて説明したらいいのよ。

九条達がキスしてるところを目撃して、ボーッとしてたら階段を踏み外しそうになって、宗次郎が命の恩人になりました。なので、“何でも言うことを聞く券”をお礼として渡すんです~。

・・・・なーーんて、絶対に言えない。


「アキレス腱」

「は?」

「アキレス"腱"」

「いや、そんな強調されても意味分かんねえし。つーか、こっち見ろよ。どこ見て喋ってんの?お前」


嫌々ゆっくり九条の方へ向いた。


「で、“けん”って?」

「だから、アキレス腱を伸ばす方法を今日中に伝授する……という話です」

「あ?」

「もう知ってるとは思うけど、今日から体術強化訓練が始まるの。それ関係の話」

「あいつには警戒しろって忠告したはずだけど?」

「別に馴れ合うつもりなんて無いのでご安心を。宗次郎君もあたしとは一線を引きたいみたいですし」

「なんだそれ」