俺様御曹司は逃がさない

干渉してくれるなよってことか。

あたしは今、宗次郎に一線を引かれたってことだよね。ま、馴れ合う気もないから別にいいけど。そもそも馴れ合うと九条がうるさいし。


「こっち近道」

「あ、そうなの?」


宗次郎の後について行くと、視線の先に居たのは見慣れた2人……なんだけど……。


────── え?


「ねえ、宗次郎……あの2人ってさ、どういう関係なの?」

「見てのまんまなんじゃない?」


九条と咲良ちゃんはまだ、あたし達の存在に気付いていない。


「親同士が勝手に決めた許嫁……ただそれだけなんじゃなかったの……?」

「さぁ?どうだろうね」


────── あたしの視線の先に、唇を重ねている九条と咲良ちゃんがいる。


何故か目を逸らせなくて、体が固まって動かなかった。


「──── い。舞」

「え?あ、うん」

「なに、大丈夫?」

「はは……ちょっとビックリして」

「戻ろうぜ」

「そうだね」


・・・・なんだ。

なにもないって言ったくせに。


────── “とくべつ”な人、居たんじゃん。


・・・・最っっ悪。

あたしのファーストキス返せっつーの。


「おい、舞っ!!」


宗次郎の焦った声で、自分がどれだけボーッとしていたか気付いた。