俺様御曹司は逃がさない

いや、なんであたしを見るの。今、絶対にあたしを睨んでるよね?上杉先輩。


「この体術強化訓練で好成績を残した者は……今後の筆記試験……要は学力テストの結果が0点だろうが何だろうが、一切不問とする」


会場がどよめいた。

────── こ、これは……チャンス到来!?


「体術強化訓練はフリータイムに執り行う。以上、解散!!」


・・・・まぁ、そうなりますよねぇ……。

サーバントに休憩なんてありませんってやつですか?もはや、人権すら無くなりそうな勢いですけど。


命懸けで守れって言うのなら……。


「給料上げてくんないかなぁ」

「そんな貧乏なの?舞」

「うおっ!?びっっくりしたぁ……宗次郎か」

「今の給料じゃやってけないくらい貧乏なわけ?マジで大変だな、貧乏って。貧乏ってどんな感じ?てか、貧乏ってなんで貧乏なんだろうな。俺には到底理解できないわ」

「あの、“貧乏貧乏”連呼するのやめてくれない?」

「事実を述べてるだけじゃん」

「オブラートって知ってる?包むって行為をしてほしいな、多少は」


あたしと宗次郎でVIPルームに向かう。


「今回の件、舞にとってはチャンスじゃん。馬鹿すぎて救いようがなかったもんな、マジで」

「だからぁ、オブラートに包んでくれる?」