俺様御曹司は逃がさない

マジかっ!?あの美玖が陰キャ彼だとっ!?

・・・・ダメだ。完っ全に乗り遅れてるよ、あたし。

というか、九条のサーバントをやっている時点で、青春も恋愛も捨てたじゃないか……あはは。


「へ、へぇ……良かったねえー」


パカッーっと開いた口から魂が抜けそうになる。


「だいたい舞ちゃんレベルの美少女をさぁ、野放しにしてる男子達の思考がよく分かんないよね~」

「高嶺の花的なやつじゃない?中学ん時そんな感じだったじゃん」

「いや、誰の話をしてるのよソレ」

「舞ちゃん」

「舞」


・・・・いやいや、ナイナイ。

こんな女子力もなければ平凡な容姿のあたしが、そんなことあるわけがない。そう断言できる。


「へぇ、七瀬さんって中学の時モテてたんだ」

「ぎゃっ!?」


真後ろから突然聞こえた声に、可愛さの欠片もない声を出すあたし。


「ま、拓人が蹴散らしてたけどね」

「番犬君だもんねぇ?拓人はさぁ~」

「はは。醜いね~、佐伯君。人の恋路を邪魔するなんて~」

「そんなんで引き下がる男なんざ、ろくな奴じゃないでしょ」

「それ、マジで言えてるね」

「だろ」


何故か意気投合し始めた九条と拓人。もうマジでなんなの?あんた達。

ていうかさ、あたしがモテてた……みたいな前提で話を進めるのはヤメて。虚しくなるから。