俺様御曹司は逃がさない

確かに去年はやってない。やろうとする度に雨で結局諦めたんだっけ。


「いいね、花火。花火と言ったら職人に頼んで打ち上げてもらう……くらいしかやったことがないから」

「「「「……レベルが違ぇ」」」」

「ははっ。大袈裟だなぁ」

あたしら庶民の花火は数千円。あなたの花火は数十万から~なんでしょうね。

片付けを済ませ、花火を最寄りのスーパーに歩いて買いに行こうという話になった……けど、いつの間にやらミニバンに乗り換えてスタンバイしている霧島さん。

・・・・この人、マジで何者?マジシャン?


────── 某ショッピングセンター


「ここ花火に気合い入ってるって聞いたんだよね~」

「わぁ、本当に可愛い花火がたっくさんあるね~」

「うわっ、値段もぴんきり」

「ちょ、舞ちゃん。すぐ値段確認するのやめたらぁ?」


梨花の助言でショッピングセンターまで来たあたし達。

少し先で、端から見たらじゃれ合ってるようにしか見えない九条と拓人。


「九条君。距離感バグってるってよく言われない?」

「え?そうかな?ああ……七瀬さんによく叱られてるよ」

「舞にベタベタすんのやめてねー」

「ん~?どうして?」

「嫌がってるでしょ、舞」

「ううん。喜んでるよ?」


だぁぁれが喜んでるってぇ!?ふっざんけなぁぁ!!