俺様御曹司は逃がさない

「帰って」

「無理」

「帰れ」

「嫌だー」

「あーーもうっ!!じゃあせめて大人しくしてて!!」


ニヤッと笑みを浮かべる九条に腹が立つ。


「まぁまぁ、んな怒んなって~」


なんて言いながら肩を組んでくる九条。本当にこいつの距離感なんとかなんないの?

マジでハゲる、ストレスで。

何が嬉しくて休日までこいつと一緒に居なきゃなんないの?おかしくない?本っ当にありえない。


・・・・それから……。


テキパキと後片付けをする九条。

なんもできない男……ではなく、できるのにやらない男……というわけね。

あの九条が働いているなんて……明日大雪確定演出。


「あ、佐伯君……これ」


九条の声が聞こえた先を見ると、拓人にお札を渡そうとしている九条が見えた。


「なにこれ」

「僕と霧島の分。会費みたいなもんだよ」

「いや、1万て……こんな要らないんだけど」

「急遽お邪魔しちゃったし、とても楽しかったから受け取ってよ。あ、七瀬さんの分も含めれば丁度いいくらいかな?」

「肉は親戚から貰ったやつだし、野菜も近所から貰ったやつだから、マジで金かかってねえんだわ。だから要らん」

「拓人~。それ、九条君の気持ちってやつじゃない?ありがたく受け取ってさぁ……それで花火買わな~い?みんなでやろうよ~」

「お、いいね。去年私ら花火やってなくない?」