俺様御曹司は逃がさない

「あ~、舞ちゃんと九条君がイチャイチャしてる~」

「マジで舞玉の輿じゃーん」

「ははっ。僕と七瀬さんとっても仲良しなんだよね~。ね?七瀬さん」


あたしはヒュッと九条の中から脱出した。


「イチャイチャしてるわけでも、玉の輿なわけでもありません。仲良くなった覚えもありません」


ムスッとしたながら美玖達のもとへ行くと、2人ともニヤニヤしている。


「やめて、その顔」

「ようやく舞ちゃんにも……」

「今まで居なかったのが奇跡でしょー」

「ねえ、変に勘ぐるのヤメて」

「いいじゃん、九条君」

「あん時はヤバい奴じゃんって思ったけど、もはやヤバい奴とかどうでもいいくらい、優良物件すぎるでしょ」


2人とも分かってない……あいつの本性を。

ほんっとうにクズなんだからっ!!


「舞~、どれ持ってく~?とりあえず律達が食べそうなやつでオッケー?」

「うん、オッケー」

「あ……ヤバい。拓人のこと忘れちゃってたぁ……」

「私も……」  

「え、何が?」

「ううん、こっちの話~」

「拓人も……悪くはないよねー」

「申し分ないでしょ~、拓人なら~」


なんてブツブツ話し始めた美玖と梨花。

拓人か……いや、本当に彼女できないのがおかしいよね。このままあたしと拓人、恋人が一生できなかったらマジで結婚させられそう。うちの親にゴリ押しされて……。