俺は九条財閥の御曹司……九条 柊弥(くじょう とうや)。

要は超金持ちってわけ。

何不自由することなく生きてきた。

欲しいと思ったもんは必ず手に入れるし、必ず手に入った。

俺が欲しいっと思って、手に入らなかったもんは今までかつてない。

物だろうが、女だろうが、何だって俺のもんになった。

恵まれ、何でも与えられる、何でも手に入る環境下に置かれた俺は、徐々に何を得てもつまらなくなっていた。


────── クソほど“退屈”。


この一言に尽きる。

女は俺のルックスと地位に目が眩んでる、似たり寄ったりな奴ばっかで、ちょっとした暇潰しにすらならない奴なんて数知れず。マジでしょーもない。

女なんて、どれもこれも変わらないっしょ。リアルにどれもこれも一緒に見えて仕方ねえし。

・・・・ベタベタした甘え声、クセェ香水、厚化粧、露出狂……。

そんな女ばっかで吐き気がする、気持ちワリー。ほーんと呆れるほどろくな奴居ねえわ。

だから、俺のそん時の気分で適当に遊んでやる……女なんてそんだけの存在でしかない。

ま、この俺に相手してもらえるだけでもありがたいと思って欲しいよね~。


────── 今日も今日とて、退屈な時間を適当に過ごしてた。