俺様御曹司は逃がさない

────── こうして地獄のバーベキューが始まった。

と、言いたいところなんだけど、九条は絶賛猫かぶり中だから大してイライラもしないし、なんなら率先してお肉を焼いたり何やかんやしてくれている。

で、ビックリするくらい気が利く。

周りをしっかり見てるし、話上手の聞き上手で美玖達もめちゃくちゃ楽しそう。

あたしは拓人と、何故か未だにちゃっかり居る霧島さんと3人で居た。


「霧島さん」

「なんでしょう」

「これ、休日手当とか出ます?」

「出ません」

「なんの話?」


・・・・あ、やっっば!!!!

サーバント制度のこと話してないんだった。というか、話せるわけがないっ!!


「あ、ああ……はははっ。えっと……」

「私の話ですよ。私は今日、休日予定だったので」

「あーー、そういうことっすか」


・・・・ありがとう、霧島さん。


「拓人、トイレ借りるね」

「あ、俺も行く」

「佐伯君。男女の連れションは如何なものかと」

「霧島さんは少し黙っててもらえますか?行こ、拓人」


あたしの腕を掴もうとした霧島さんをひょいっと躱して、あたしは足早にその場を去った。


「拓人ごめんね?」

「ん?何が?」

「ぶっちゃけ九条のこと嫌いでしょ」

「まぁ、嫌いっつーか。まぁ、別に……」