俺様御曹司は逃がさない

あたしを中へ招いてくれる霧島さん。一瞬だけ戸惑ったけど、相手は霧島さんだしね。別に何の問題もない。


「お邪魔します」


・・・・本当に何もない部屋だった。

ワンルームでベッドと冷蔵庫が置いてあるだけ。


「すみません。ここへ来ることが年に数回あるかないかなので」

「あ、ああ……ですよね」

「椅子とか何もないので、ベッドに腰かけてください。立ち話もなんでしょうから」


あたしはベッドをジーーッと見つめた。


────── あの巨乳お姉さんと……その……ここで……。


そう思ったら座る勇気がない。


「ベッドは使っていないので安心してお座りください」

「あ、そ、そうですか」


・・・・え、ちょっと待って。

ベッドを使ってないってことはどこで……?


──── いやいや、あたしは一体なにを考えているんだ、けしからん。

少しでもエッチなことを考えた自分が、めちゃくちゃ恥ずかしくなって顔が燃えるようにアツい。


「七瀬様」

「はひっ」


呼ばれただけで、ビクッと反応した体。

・・・・最っ悪。めっちゃ噛んじゃったし。

少しため息を漏らしながら、目頭をギュッと押さえている霧島さん。