俺様御曹司は逃がさない

これは無駄だと判断したあたしは、九条に頭を下げてコンビニから出た。

すると、外に居る女子達が九条の話で大盛り上がりしている。


「ねぇねぇ!!あの人、九条柊弥じゃない!?」

「生の九条柊弥はじめて見た!!ヤバぁい!!」

「破壊力半端な!!」

「連絡先聞いちゃう!?」


とか騒いでキャッキャしている。

で、あたしの存在に気付くなり、サーーッと何処かへ去って行った。

・・・・おそらく、あたしをあいつの彼女か何かと勘違いしたのではなかろうか。

めちゃくちゃ迷惑な勘違いだな。

そんなことを考えていたら、少年誌を持った九条がやってきた。


「あんた、ちゃんとお金払ってきた?それ」

「……はあ?お前、俺をなんだと思ってんの?」

「一般常識の無いお金持ちのお坊っちゃま」


すると、少年誌の角であたしの頭をゴツンッと叩いてきた九条。


「いっっ!!」

「俺を誰だと思ってんの?お前より遥かに一般常識くらいあるっつーの。馬鹿が」

「ていうか!!少年誌の角で頭をどつくとかあり得ないんですけど!!」

「あ?ああ、悪い悪い。手が滑ったわ~」


悪びれる様子もなく、適当にそんなことを言う九条に心底腹が立つわ。

いつか、いつか必ず……仕返ししてやる!!