俺様御曹司は逃がさない

蓮が目を細めてながら俺を見ている。


「君はフォローしたつもりかもしれないが、何のフォローにもなっていなかった。舞ちゃんが傷つくのも当然」

「は?何がっ……」

「だいたい舞ちゃんをサーバントにした時点で、ある程度のことは教えておくのが常識だろ?」

「あ?俺は別にあいつにそんなこと求めてねえんだよ」


あいつはあいつのままでいい。何にも染まらず、そのままでいればいい。


「あのさ!!……ごめん。私がこんな食事会設けちゃったから、舞ちゃんにも嫌な思いさせちゃったね」

「咲良が謝ることじゃなくなーい?だいたいあの女が無知すぎるのが問題でしょ。自分で柊弥のサーバントになるって決めたくせに、柊弥に見合うサーバントになろうって気がまるでないじゃない」


次から次へと料理を口に運びながら、冷静にそんなことを言っている凛。

──── 間違っているのは俺なのか?

蓮の言葉と凛の言葉が頭の中をグルグルと駆け巡った。


「俺は……」


俺はあいつに“完璧”なんて求めちゃいない。ありのままでいい、そう思っている。だが、“九条柊弥”のサーバントとして、ある程度の振る舞いができてないと、恥をかくのは俺じゃなくて、あいつ自身ってことか。