俺様御曹司は逃がさない



七瀬が宗次郎に引っ張られながら連れて行かれるのを見て、腸が煮えくり返りそうになった。

七瀬も七瀬で抵抗することもなく、宗次郎に身を任せているようで気に入らないし、このまま七瀬が宗次郎のモンになっちまうんじゃないかって……そう思った。

──── そいつは、俺のモンだ。


「おい!!七瀬っ!!」


柄にもなく焦ったっつーか、引き止めねえとって気持ちが先行して声を張り上げた。七瀬は俺のモンだし、俺だけに仕えるサーバントだろ?俺を置いて出ていくなんてありえねぇだろ、普通。

宗次郎の手を振り払って、俺ん所に来るだろ……そう思っていた。


「……チッ」


七瀬は俺に背を向けたまま振り向くこともなく、宗次郎に連れていかれた。


「誠に申し訳ございません!!」


上杉が体を震わせながら俺に頭を下げている。その震えは怒りか?それとも俺に対する恐怖心からか……ま、そんなことはどうでもいい。

俺はこの現実を受け止めることができない。

・・・・七瀬は俺じゃなく、宗次郎を選んだっつーことなのか?

そんな事実、到底受け入れられるわけがねえだろ。


「まぁまぁ、上杉さん。別に誰が悪いってわけじゃないんだから、そんなに謝る必要ないですよ。まあ、強いて言うなら戦犯は……君だよ、柊弥」

「あ?」