俺様御曹司は逃がさない

テーブルマナーとかそういうのがまだよく分かんなくて、1人だけテンパりながら食事をしている。しかも、席順が謎すぎて──。

凛様・九条・咲良ちゃん・蓮様
上杉先輩・あたし・宗次郎・前田先輩

マスターとサーバントが向かい合って食事をするという、なんとも言えない絵面。

あたしのテーブルマナーが気になりすぎるのか、上杉先輩はさっきから舌打ち連発してるし、凛様は嫌みったらしく笑ってるし、九条は呆れてるし、咲良ちゃんと蓮様は苦笑いしてるし……もう、ダルいな、こういうの。

・・・・何だろう、この劣等感は。

美味しいはずの料理も、全く美味しくないし、楽しくもない。

空いてたグラスに肘がトンッと当たって、グラスが床へ落下して割れた……と思ったけど──。


「悪い、俺がそこにグラス置いたかも。大丈夫?」


床に落ちる前に宗次郎がグラスをキャッチしてくれた。しかも、あたしのせいなのに謝ってくれてるし……。


「ほーーんとそそっかしい女ね。恥ずかしい」

「……申し訳ございません」


宗次郎に気を遣わせてフォローしてもらったのが、無性に恥ずかしくて嫌になった。


「まっ、そそっかしいのも見てる分には面白いからいいんじゃね~?だいたい、こいつにテーブルマナーとか分かるわけないっしょ。こんな飯食うことねえんだから。気にすんなよ、好きなように食えば良くね~?」