俺様御曹司は逃がさない

「七瀬……お前さ、誘ってんの?」


『誘ってんの?』ってどういうこと?別に何も誘ってなんかないし、むしろ逃げたくて仕方ないんですけど!!


「は?な、なに?意味わかんないんだけど」

「誰にでもそういう顔するわけ?」

「……え?」

「それとも俺だから?」

「……は?」

「はぁぁ。無自覚ほど恐ろしいもんはないってか。こりゃどうしたもんかね」

「……っ!?」


九条の大きな手が頬に添えられて、あたしの瞳を覗くようにジッと見つめてくる。相変わらずの距離感バグ男。

・・・・ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ……と煩い心臓。


「なんつーか、甘そうだな」


『甘そう』とは?どういうことなの?え、なに?なんなの!?


「ちょ、あっ、あの……っ!!」


ガチャッとドアが開いた音がして、あたしと九条がそっちを向くと、そこに立っていたのは宗次郎だった。


「あ、お邪魔でしたか。失礼いたしました」


あたしは慌てまくって、九条のお腹に思いっきりパンチを入れてしまった。


「んぐぅっ!!」

「ちっ、違う違うっ!!これは違うのっ!!」

「へぇーー。別にどうでもいいんだけど」


興味無さそうな反応をしている宗次郎のほうへ行き、何事もなかったかのように振る舞うあたし。