俺様御曹司は逃がさない

「少しくらいあたしの頼みを聞いてくれたっていいじゃん。だいたいあんたはっ……」


九条がここから出ようと、ドアノブを握って開けようとした時──。


ポロッ……ゴトンッ。ゴロゴロ……コトンッ……。


「「……え」」


ドアノブが取れて、床に転がった。


「取れたな~」

「取れたね~……って、どぉぉすんのよぉぉ!!」

「うっせえな、喚くなよ。電話すりゃいいじゃん、アホなの?」

──── た、確かに。

「まっ、まあ……ちょっとスリリングな感じを出そうかなって思って?わざと大きな声で叫んでみた……的な?ただそれだけのこと。別に焦ったわけじゃないし」


我ながら残念すぎる嘘だなと思いつつ、チラッと九条を見上げると、小馬鹿にするような笑みを浮かべていた。


「ププッ。お可愛いこと~」

 
・・・・だぁぁーー!!うっざぁ、このうえなくうっっざぁ!!


「あの、さっさと電話してくれる?あんたと密室に閉じ込められてるなんて、本当に耐えらんないわ」

「んなこと言っちゃってさぁ、実は喜んでたりっ……」

「するわけないでしょ。自惚れんなクズ」

「いや、お前……それは言い過ぎでしょ。俺、お前のマスターな?」

「それは失礼いたしましたーー」

「ったく……」