俺様御曹司は逃がさない

「ちょっかいって……。別にそんなんじゃないし、いちいち過剰に反応するのやめてくれない?」

 
ただの暇潰しなんでしょ?

たかがサーバントなんでしょ?

使い捨てのオモチャなんでしょ?


「あいつはダメ」

「は?」

「あいつが何を考えてんのか分かんない以上、無駄に馴れ合うなっつってんの。なんかあってからじゃ遅ぇだろ」


妙に真剣な表情をして、“命令”というよりは“お願い”をされているような……そんな感じ。九条にしては珍しいな。


「明日、雪でも降るんじゃない?」

「お前、泣き喚くほど躾てやろうか」

「……はは、スミマセン」


・・・・やっぱ宗次郎には何かしらあるってことなのかな。根っからの悪い奴って感じではなさそうなんだけど。


「とにかく上杉弟には要注意っつーことでオッケー?」

「ハイハイ」

「『ハイハイ』じゃねーだろ?」


機嫌の悪そうな笑みを浮かべながら、あたしを見下ろしている九条に腹が立つ。


「……御意」

「よろしい」 


そう言うと、満足気にここから出ようとする九条。


「あ、あのさ」

「んあ?何?」


ポケットに手を突っ込んで、顔だけをこっちへ向けている。