俺様御曹司は逃がさない

「分かりました」

「えっ、ちょっ……」


すんなり教室から出ていく宗次郎。あたしは恐ろしくて九条と目を合わせることすらせず、苦笑いしながらペコペコと頭を下げて教室を出た。


「怒られたな」

「『怒られたな』じゃないわよ。誰のせいだと思ってんの」

「俺のせいじゃないでしょ」

「宗次郎のせいでしょ」

「ま、いいじゃん。あんな授業聞いてたってどうせ分かんねーだろ?舞は」

「宗次郎はわかるわけ?」

「まあ、だいたいわな」


・・・・ああ、そっか、上杉家だもんね。そりゃある程度はできるか。


「ていうか、宗次郎ってサーバントの資格とかあるの?」

「はあ?あるに決まってんだろ。上杉家は代々サーバントとしてマスターの奴隷やってんだから」


・・・・“奴隷”て。

まあ、あながち間違ってはないかもしんないけど。


「サーバント一家ってやつね」


バンッ!!!!

ものすごい音と共に教室のドアが勢い良く開いて、鬼の形相で出てきたのは……凛様だった。


「あなた……いい加減にしなさいよ」

「ちょっ、凛ちゃん落ち着いて!」


凛様を必死に宥めようとする咲良ちゃん。


「どんだけ柊弥に恥をかかせれば気が済むの?あなたの存在自体“恥”も同然なのにっ……」