俺様御曹司は逃がさない

「あたしが持ってるスマホ、九条のだから。給料が入って九条に携帯代を支払うまでは、この番号は誰にも教えないって決めてるの。親友にも教えてないのに、君に教えるわけにはいかないでしょ」

「……へぇ、舞って面白いね。そんなの別に気にする必要なくね?あの人がくれたんだろ?もう舞のじゃん」

「あたしの物で、あたしの物ではない……って感じ」

「ふーーん」


宗次郎からは上杉先輩みたいな、あたしに対する“敵対心”的なものはまるで感じられない。むしろ、“九条のサーバントとか同情するよ”的な雰囲気を感じる。

少し引っ掛かってたけど……あたしの思い過ごしかもしれない。


「お前ら」


ふと振り向いてこっちを見た九条に内心ドキッとした。別に悪いことをしているわけでもないのにね。


「さっきから何コソコソと喋ってんのー?」


うわぁ……地獄耳。絶対聞こえないだろうなって声で喋ってたのに。


「九条様のサーバントになれるなんて凄いね、とっても光栄なことじゃないか……と話していたんですよ。ね?七瀬さん」


うわぁ……嘘も方便ってやつかな。


「はい。何が光栄なのかさっぱり分かりません……とお答えしていたところです」