俺様御曹司は逃がさない

「へぇーー」

「そういうことか。咲良ちゃんらしいね」


チラッと九条を見ると、何を考えているのか分からない表情を浮かべていた。蓮様は多分納得したっぽい……かな?

ていうか、あんたはいつまであたしの肩に腕を置いておくつもりなの?いいかげん重いわ!!


「ま、俺を苛立たせるようなことさえしなければ、ここの出入りは許可してやるよ」


そう言いながらあたしの頭をガシッと鷲掴みして、ガンガン揺すってくる九条に殺意が芽生える。


「……なるほど。噂は本当だったみたいですね」

「おい、宗次郎」

「あの九条様が女性に固執するっ……」

「宗次郎!!私語は慎め!!」


上杉先輩の怒鳴り声が響き、シーーンッと静まり返る室内。


「九条様、申し訳ございません。教育が行き届いておらず」

「んな怒鳴ることでもないっしょ~。な、上杉弟」

「ちょっとごめ~ん!少しいいかな?宗次郎君」

「……はい」


九条の許嫁と上杉先輩の弟が部屋から出ていって、ようやく九条から解放されたあたし。九条はなにやら考え事をしているのか、上の空状態な顔をしている。


「やっぱ上杉より宗次郎のほうがカッコいいわね~」


そんなことを言いながらメイクを直している凛様。