俺様御曹司は逃がさない

「叶様。私の弟、宗次郎です」


へぇー、ここで上杉先輩の弟君が登場ですか。ていうか、なんであたしをガン見してるの?そんなに物珍しいですか?ド庶民の貧乏人が。

そして、上杉先輩の弟の視線があたしに向けられているのに気付いたのか、九条があたしの肩に腕を回して引き寄せてきた。


「こいつ、俺のだから気をつけろよ?上杉弟」

「心得ております」

「そ」


・・・・てか重い。さっさとこの腕を退けろ。


「宗次郎が叶様のサーバントに名乗りをっ……」

「ふーーん?」

「九条様……何か?」


上杉先輩と九条の間になんとも言えない微妙な空気が流れている。この場にいる全員がそれを感じているだろう。


「そいつ、上杉家にも関わらずサーバントにならねぇつって一般に通ってんだろ?なんで咲良のサーバントを引き受けた」

「まぁ、確かにそれは気になるね」


蓮様までちょっと雰囲気が変わってるし……。この2人にとって、この許嫁はそれだけ大切な存在ってことか──。


「ごめんごめん!私が恭次郎君に頼んだの~。ほら、宗次郎君イケメンじゃん?どうせならイケメンにお願いしたいなぁ~なんて!」


テヘッと言わんばかりの可愛さ全開で、女のあたしですらハートを射ぬかれそうになった。