俺様御曹司は逃がさない

ニコニコしながら手を差し伸べてきたおじさんに、どう反応していいか分からず固まるあたし。これは俗に言う“エスコート”……というやつ?

まあ、これだけダンディなおじさんなら、エスコートのひとつやふたつ、あってもおかしくはない……だろうけど──。

こんなのされたことないから、どうしていいのか分かんない。で、でも……さすがに断るのは失礼じゃない?多分。そう思って、あたしはゆっくりと手を伸ばした。

すると、あたしの手をガシッと荒々しく握ったのは──。


「俺の許可なくこいつに触れんな、エロジジイ」

「ククッ。それは申し訳ございません」


チラッと九条を見上げると、“お前もお前で何やってんだよ”と、責め立てるような顔であたしを見ている。


「手間かけさせんな。サーバントの分際で」

「……スミマセン」


なんであたしが謝らなきゃいけないの?ていうか、『サーバントの分際で』とか、マジでうざいんですけど。


「さっさと乗れ」

「なっ、ちょっ!?」


ポーイッと捨てるように車内へあたしを詰め込む九条。扱い雑すぎでしょ、信じらんないわ!!

・・・・それからダンディおじさんこと榎本(えのもと)さんは、あたしばかりに話を振ってくる。