俺様御曹司は逃がさない



九条がいなくなった瞬間に秒で制服に着替えた。


「はぁーー」


それにしても……どうしようかなぁ、霧島さん。そもそもなんでこんなことになったんだっけ?


「えーーっと、たしかぁ……」


・・・・ダメだ。思い出したくないことまで思い出してしまった……。

九条との……きっ、き、キス。

ていうか、元はと言えばあのキスのせいでこうなった……と言っても過言ではない。イコール九条のせいと言っても過言ではないってことだ。

結論、こうなったのは全て“九条のせい”……以上!

それにしたって霧島さんをクビにするなんて、ありえないでしょ。何を考えてんのよ、あいつ。


「……まったく、バカなの?あの男は」


霧島さんがいなくなって一番困るのは九条なんじゃないの?幼い頃から一緒にいてくれたのは霧島さんなんじゃないの?九条が無条件に信頼して、信用しているのは霧島さんだけなんじゃないの……?

・・・・九条のお母さんが言ってた。『霧島は特別なの』……って。

詳しくは聞いてないけど、霧島さんは“九条家”に……そして、“九条柊弥”になくてはならない存在なんだと、雰囲気で感じた。


「しまったぁ。もっと詳しく聞いておけばよかったかな」

「あ?何を?」