俺様御曹司は逃がさない

・・・・いやいや、これが“素”とか厄介すぎんだろ。マジで面倒くせぇ女。

俺は髪を拭いて濡れたタオルをポイッと七瀬の頭にかけた。


「ちょっ、冷たっ!!」

「ごめんごめーーん」

「あーーもう、さっさと髪の毛乾かしなさいよ。また風邪引いても看病なんて絶対にしないから!!」


ぷんすか怒りながらキョロキョロしている七瀬。


「なにキョロキョロしてんの?」

「着替え、どこですればいいの」

「俺の真ん前」

「死にたいの?」


今にも人を殺めそうな面をして、無言の圧力をかけてきやがる。マジで何様なんだよ、こいつ。


「あーー、ハイハイ。俺があっち行くからここで着替えれば?」

「さっさと消え失せてくださいませ。マスター」

「言葉遣いには気をつけろよ?サーバント」

「御意」


満面の笑みを浮かべている……と思いきや、確実に目が死んでいる七瀬を横目に、俺はウォークインクローゼットへ向かった。