俺様御曹司は逃がさない

俺の傍に置いて、こいつが傷付いて、壊れてく様を俺はきっと……見ていられない。傍に置いておきたいが為に、俺は必ず見て見ぬふりをすんだろ。


「飽きた」


たかが女ひとりの為に、俺は何してんだろうな。

女どうでもいい……どうでもよかったはずなんだけどな──。


「……は?飽きた?……あんたのその腐った根性を叩き直すまで、あたしは絶っっ対にあんたのサーバントは辞めない!!もう意地でも辞めてやんないから!!卒業するまで絶対に離れてやんない!!だいたいバイト先まで根回ししたのもあんたでしょ!?あたしはもう働く場所がないの!!責任取りなさいよ!!この俺様クズ御曹司が!!」


『飽きた』この一言がどうやら七瀬の癪に障ったらしい。この俺にこの態度だもんな。

本当に面白いわ、こいつ。



「あ?いいわけ?もう逃がしてやんねーよ?」

「は?」

「逃げるなり辞めるなりするなら今のうちだっつってんのー」 



俺はもう、お前を逃がすことも手離すことも出来なくなる。



「俺様御曹司……?フンッ。上等だわ」


ニヒルな笑みを浮かべて、俺よりちっせえくせに見下すような目で俺を見てくる七瀬。

・・・・うぜーー。なぁんでこんな鬱陶しい女にこだわってんだろうな、俺。もっとマシな女なんて腐るほどいんだろ。