俺様御曹司は逃がさない

「あ?なんだよ」

「これ、あたしだったからよかったものの、他の女の子だったら確実に大号泣&トラウマ案件だからね!?横暴なのも大概にしとけって言ってんの!調子に乗んなバカタレが!!」


ベチィィンッッ!!とド派手な音が廊下に響いて、ジンジンと痛む俺の頬。


「っ!?いっってぇなぁ!!何すんだよ!!」

「あたしだって手のひら痛いよ!?」

「だろうな!!俺の頬、平手打ちしてんだし!!」

「あんたは少し痛い目見るくらいが丁度いいの!!」


なんつー女だよ!マジでありえねえ!人のこと言えねぇくらいお前も横暴じゃねぇの!?


「お前っ……」

 
・・・・未だに震えている体を何とか抑えようと、ギュッと自身の腕を握っている七瀬を見て、胸がズキッと痛んだ。


「な、なによ……」

「──── 悪かった」

「……え?」

「震えてんじゃん、お前」

「え?あ、ああ……いや、こっ、これは、その……武者震いってやつよ」


ちげぇだろ。俺のことが怖いんだろ?だったらそう言えよ。なんでこういう時は逃げねえんだよ。なんで立ち向かってくんだよ。俺のことなんて、ほっときゃいいじゃん。


「──── もういらねー。お前もクビ」

「はあっ!?」