俺様御曹司は逃がさない

七瀬の腕を掴んでいる手の力加減をどうやらミスっていたらしい。俺が手を離すと、腕を擦りながら睨み付けてきた。


「あんた、本当にどうかしてるよ」

「あ?」

「霧島さんをちゃんとした理由もなく解雇するなんて、どうかしてるって言ってんの」

・・・・なんだよ。お前は俺の味方じゃねーの?なんで霧島の肩を持とうとすんだよ。おかしいだろ……どうかしてんのはお前じゃん。


「ハッ。どうかしてんのはお前だろ」

「は?それ、どういう意味」

「お前らデキてんの?」

「……は?」


どう考えてもおかしい。俺がどんな女を連れてようと、全く興味を示さなかった霧島が、こいつには興味ありげでやたら絡むし、こいつのことばっか聞いてきやがるし。挙げ句、こいつには素を出してるっぽいじゃん?

なんなんだよ、ふざけんなっつーの。


「俺が熱で死にかけてるって時に、お前ら何してたわけー?」

「は?何してたって……別に何もっ……」

「で?霧島には股開いたってか?」


俺を見る七瀬の目が酷く冷めていて、軽蔑の眼差しに変わった。


「本気でそんなこと思ってるの?あんた」

「あ?」


こういう時、女は大概『なんで私のこと信じてくれないの?』『私にはあなただけなのに』……“私は、私は”ってあれやこれやと醜い言い訳や御託を並べる。