俺様御曹司は逃がさない

触らないでって言ってみたり、俺に迫られてこんな顔したりさ……マジで意味不すぎんだろ。明らかに様子がおかしいし。


「あのっ……!!」

「あ?」

「なんで九条の部屋って洋室なのっ!?」


──── は?

いやいや、今!?その質問、今!?タイミング違くね?それ、今じゃなくね?

呆気に取られている間に、ススッと俺から抜け出した七瀬。俺は何もない壁に手を付いている状態。


「お前の思考回路どうなってんの?マジでビビるわ」

「ははは~!!いやあ、和風な家なのに九条の部屋だけ洋風だな~って」

「それ、今言う?」

「うん、今言う」


俺が一歩近づくと、一歩下がる七瀬。

・・・・いや、マジでなんなの?


「おい」

「はい、なんでしょう」

「俺んとこ来い」

「…………え?すみません。よく聞こえませんでした、残念です。では、あたしはこれで失礼いたします」

「待っ……」


ビュンッ!と猛ダッシュで逃げた七瀬を掴み損なった。


「ったく、逃げ足速すぎんだろ」


ポケットからスマホを取り出して霧島に電話をかける。


〖はい〗

〖全ロック~〗
 
〖承知いたしました〗


電話を切るのと同時に外に繋がるありとあらゆる場所の鍵が自動でロックされていく。ちなみにこれ、手動じゃ絶対に開けられないやつね?