俺様御曹司は逃がさない

「そんなこと言わずに……。で、なんのご用でしょうか?」


爽やか尚且つキリッとした表情をして、あたしを見ている霧島さん。あくまでクール執事キャラで居たいらしい。


「お坊っちゃまがシャワー浴びたいだの何だのと、ボケたことを抜かしていたので、ベッドに放り投げて蒸しタオルを貰いに来ました」


満面の笑みを浮かべて霧島さんを見ると、めちゃくちゃ顔面をひきつらせている。


「あの、七瀬様」

「はい」

「あまり柊弥様をイジメないでいただきたい」

「イジメられているのはこっちですけどね」


真顔で見つめ合って、シーーンッと沈黙が流れる。


「蒸しタオルですね。用意ができ次第、私が持っていきますので柊弥様の所へお戻りください」

「では、よろしくお願いします」


九条の部屋に戻ると、ベッドに寝っ転がりながらスマホをいじっている病人が視界に入った。


「あまりスマホをかまわないほうがよろしいかと」

「お前とは違って忙しいんでね」


・・・・女の相手が……ってやつですか?それはそれはおモテになって大変ですこと。


「霧島さんが後で蒸しタオルを持ってきてくれるので、拭いてもらったらどうですか?」

「男同士で気持ち悪いったらありゃしない。お前が拭け」