俺様御曹司は逃がさない

分かったような口を聞いて、抹消されないだろうか……。そもそも九条がどう思っているか、何を考えているかなんてさっぱり分かんないし。そもそも“軽薄で本当にうざくてイライラする”なんてさ、その親に向かって言うセリフか?ヤバいでしょ、あたし。

こりゃ物理的に首が飛んでも仕方あるまい。


「あの、打ち首だけは勘弁してください」


床に顔面を擦り付けるように土下座した。すると、クスクス笑い声が聞こえてくる。ですよね、惨めですよね、貧乏人の身の程知らずが土下座をしているなんて、面白おかしくて笑っちゃいますよね、どうか命だけはお助けください。


「もぉ、舞ちゃん。頭なんて下げないで?」


九条のお母さんが優しくあたしの肩に触れた。ゆっくり顔を上げると、とても綺麗で優しい笑みを浮かべてあたしを見ていた。


「本当に面白い子ね。柊弥が執着する意味が分かる気がするわ」

「は、はあ……」

「これからも苦労をさせちゃうかもしれないけど、どうかあの子のことを……よろしくお願いします」


あたしに向かって丁寧に頭を下げる九条のお母さん。

・・・・や、やめてーー!あたしなんかに頭を下げないでーー!!というか、よろしくされちゃっても困りますーー!!


「あ、あのっ!!やめてください!!」